未確認飛行物体UFOの人気が低迷した理由
特番の代名詞である未確認飛行物体
季節の変わり目は特番が多い。いつも深夜に放送している番組がゴールデンに進出したり、歌番組のスペシャルが流れたり、その特番の種類も様々である。そういえば、これまで特番で頻繁に取り上げられていたあるものは最近みない。それは未確認飛行物体(UFO)である。一昔前までは、季節の変わり目の特番の代名詞とも言える番組だったが、ここ最近は1年に数回、放送してれば良い方というぐらいめっきり放送が少なくなった。なぜ、これほどまでに減ってしまったのか。今回は、その原因について探っていく。
未確認飛行物体の特番が減った理由
その理由は3つある。まず1つ目は、カメラ技術の大幅な向上である。カメラはここ10年で非常に解像度が上がった。例えば人の顔を撮影すると人の目の虹彩(こうさい)から反射した映像が写真でハッキリ読み取れるまでに成長している。それだけではない。ここ10年で普及したスマートフォンの存在もある。スマホのカメラも非常に解像度が良く、さらに毎日持ち運ぶことができるのである。そのため、何か不思議な現象が起きた場合、すぐさま手持ちのスマホで撮影できるようになったのである。ここまで技術が向上したのだから、普通に考えれば、より未確認飛行物体の映像を捉えやすくなるはずである。しかし、その映像はほとんど出てこない。ということは、やはりこれまで未確認飛行物体として扱われていたほとんどが、カメラの解像度の問題だったということになる。そのことを視聴者が知ってしまったのである。そのため、こうした番組の数は減少傾向にあると考えられる。
続いて2つ目は、なかなか未確認飛行物体の回答に届かないということである。こうした番組の多くは、世界中の不思議な写真や映像を集めて、視聴者に不安を煽るような内容で放送するが、番組の最後に結論として結局、未確認飛行物体は何なのか疑問が残ったまま終わってしまうのである。もちろんこれは現代の科学では解けない問題であるため仕方ない。しかし、視聴者はその答えを聞きたがっているのである。そのため、未確認飛行物体について放送するテレビ局側と視聴者側でニーズの違いによって摩擦が起き、その結果、視聴率が悪くなり、こうした番組はどうしても減少傾向になってしまうのである。
3つ目は、実際にアメリカで信憑性の高い未確認飛行物体が確認されたからである。今までは、国家がそうした情報を提供することはなかった。そのため、テレビ局メディアが代わりに未確認飛行物体について取り上げていたのである。しかし、アメリカの空軍が未確認飛行物体について真剣に議論してしまったため、これまでのオカルトチックな内容では視聴者は満足できず、もっと科学的に真剣に未確認飛行物体について考え始めたのである。そのようになると、従来のオカルトチックな未確認飛行物体番組の役目はなくなってしまう。つまり、未確認飛行物体は現実的になることによって、これまでのオカルトチックな番組を一掃してしまったのである。恐らくこれが番組減少の最大の理由であろう。
未確認飛行物体の今後
今現在は、こうしたアメリカ空軍の報道を受けて、各テレビ局はどのようにして未確認飛行物体を扱った番組を放送するか考えているのかもしれない。そういった意味では、これまでのオカルトチックな未確認飛行物体の番組を第一次未確認飛行物体番組とすると、現在は事実を多数盛り込んだ科学的な未確認飛行物体の番組である第二次未確認飛行物体番組へ移行する過渡期なのかもしれない。そう考えれば、これからの特番が楽しみになってくる。