【今週のお題】住みたい場所ランキング1位の横浜市はなぜ人気なのか
住みたい場所、教えてください
日本全国を対象にした住みたい~ランキングはたくさんある。例えばウェイブダッシュの「全国住みたい街ランキング」や大東建託の「住みたい街ランキング」、リクルートの「住みたい街ランキング」などがある。そのランキングで、どのランキングでもトップを連続で独占している街がある。それは神奈川県横浜市だ。あるサイトでは9年連続で当選するなど根強い人気がある。なぜ横浜市は人気なのか。今回はその真相に迫る。
横浜市が住みたい場所として人気の理由
理由は3つある。1つ目は、子育てに力を入れているということだ。意外な事実だが、実は横浜市は子育てに大きく力を入れている街なのである。例えば、「子ども・子育て支援新制度」という制度がある。この制度は、待機児童の問題を解決するために定められたものだ。内容としては、子育て専門のコンシェルジュが保育園の紹介や子育ての悩みを解決してくれる。横浜市は、この取り組みで待機児童が大幅に減少した。このように、しっかりと子育てに力を入れていることで、子育て層から根強い人気を得ているのである。
また、こうした取り組みを行っているせいか、進学塾の数も多い。そのため、横浜は私立中学・高校の進学率が高いのである。このように子育ての基盤がしっかりと機能しているため、子育てに意識の高い住民が集まった結果、横浜市は進学率の高い地域に成長したのだ。
2つ目は、横浜市はオシャレなイメージがあるということである。赤レンガ倉庫や海の見える丘公園や明治時代の領事館、港からの綺麗な夜景などオシャレな場所がたくさんある。そのため、いつか住みたい憧れの場所となっているため、多くの移住者が押し寄せた結果、住みたい場所として人気になったのである。
3つ目は、横浜市が愛着がわきやすい場所であるということだ。そもそも横浜市は人々に夢を持たせるよう宣伝しながら、住みやすい街づくりをしていくという手法が上手い。恐らく、これが横浜市人気の最大の理由だろう。その仕組みは、①上記で挙げたようなオシャレな建物で良い場所ということをアピールする。②観光で実際に見に来てもらう。ここで街に収益が入る。③そして、実際に訪れたことで街を気に入ってもらい、移住してもらう。④そうした移住者向けに住みやすい制度や取り組みを市全体で実施。このようにすることで、移住した人に心地の良い場所を提供できる。そして、それが口コミなどでさらに広がり、その結果、住みたい場所ランキング等で1位を獲得するのに至ったのである。まさにマーケティングのパーチファネルのような仕組みを使っているのだ。そのため、このパーチファネルの仕組みに誘導され、「横浜=住みたい場所」というイメージが人々の中に出来上がり、そして実際に移住する人が増加したことが人気の原因だろう。
横浜市のこれから
以上のように、住みたい場所ランキング1位の横浜市はなぜ人気なのかについて見てきた。その理由は、子育てに力を入れているということ、オシャレなイメージがあるということ、愛着がわきやすい場所であるということの3つだった。
先述したように、横浜市はマーケティングの仕組みをしっかり押さえたうえで、市の制度や取り組みを実施することで成果を上げていた。このようなマーケティングを軸にして、市政方針を決めている市町村は少ないと思う。他の市町村も横浜市を見習って、住みやすい場所を各地に作ってほしい。