SixTONESが人気の理由
ストーンズの人気
近年、ジャニーズグループの中で売り出し中のグループがある。それはSixTONESだ。彼らは6人組のグループで、近年のジャニーズでは珍しいシックな格好良さが特徴である。そんな彼らは音楽番組をはじめ、バラエティー番組など多数の番組で活躍している。SixTONESがテレビに出演していると、Twitterではトレンドのキーワードランキングを毎回占領するほどの人気を持っている。なぜ彼らはそこまで人気なのか。今回はその真相に迫る。
SixTONESが人気の理由
理由は3つある。1つ目は、歌唱力の高さである。筆者もYouTubeで彼らの音楽がおすすめ一覧に現れていて、気づかないうちに聞いていることがあった。このように普通のプロのミュージシャンと区別がつかないぐらい彼らの歌唱力は高いのだ。そのため、彼らの公式YouTubeチャンネルには海外からのファンも多い。これについては、2つ目で述べることにしよう。
2つ目は、海外向けに発信しているということだ。彼らはデビュー前からYouTubeを使い、自身の楽曲の英語版をアップロードするなどして、海外のファンを掴もうとしている。実はこのような取り組みはジャニーズでは初めてである。ジャニーズは海外のファンも多数いたが、あくまで日本のファンを対象に活動してきた。しかし、SixTONESはデビュー前から海外を意識した活動をしている。その成果が実を結び、今では世界中にファンがいる。このようにSixTONESは、世界にファンをつくることで他のジャニーズグループを上回る人気を獲得できたのである。
3つ目は、KAT-TUNと重ねているところである。実はSixTONESはKAT-TUNを意識していると思われる部分が非常に多い。とくに、SixTONESはKAT-TUNが発表した楽曲のカバーを頻繁にしている。例えば、PeakやRock’in、DON’T U EVER STOPなど筆者が調べただけでも実に10曲近くKAT-TUNの曲をカバーしている。ジャニーズのグループでここまで1つのグループの曲をカバーしているグループは他にないのではないだろうか。
ここまで、派手にKAT-TUNの曲をカバーしているため、明らかに意識していると言える。またSixTONESには、かつてKAT-TUNにて活躍した田中聖氏の実弟である田中樹氏が在籍。グループがKAT-TUNの雰囲気と似ていることも合わせて、やはりKAT-TUNをイメージしているのだろう。ではなぜ、ジャニーズはここまでSixTONESをKAT-TUNに重ね合わせるのか。それは、ファンとジャニーズ事務所の密かな願いが託されているからである。
(ここからはあくまで筆者の推測である)KAT-TUNはデビュー当時からジャニーズの新しい路線として注目を浴び、大人気だった。その人気の秘訣は、グループ内の個々人がキャラを確立していたからである。例えば、セクシー担当のK亀梨和也氏、格好良さ担当のA赤西仁氏、ラップ担当のT田中聖氏、ボイスパーカッション担当のN中丸雄一氏などといった具合にそれぞれ役割があった。そのため、ジャニーズでありながら歌唱力やラップやボイスパーカッションといった音楽技法の高さから一流のアーティストとしても活動していた。おそらく、この地位を確立したのはKAT-TUNがジャニーズとして初めてである。
しかし、そんなメンバーの個性を特徴にしていたKAT-TUNは度々のメンバー脱退で人数が半分に減少。そのため、方向転換を余儀なくされたのである。そこでジャニーズが目を付けたのが、SixTONESのメンバーたちだった。彼らはKAT-TUNと同等か、それ以上の高いパフォーマンス力を持っており、グループの雰囲気もKAT-TUNと似ているメンバーが集められた。ジャニーズ事務所は恐らく、KAT-TUNがグループメンバーの脱退により、成し遂げられなかったことを叶えてくれる存在と期待してSixTONESを結成したのだ。その結果、SixTONESのファンもそのことを理解しているファンが多いため、ジャニーズ事務所とファンの間で、「KAT-TUNが成し遂げられなかったことをSixTONESで叶えよう」という密かな団結力が生まれた。その団結力がSixTONESを人気ジャニーズグループへと育てあげたのだ。つまり、SixTONESは他のジャニーズグループよりもファン同士と事務所が一体となって協力して作り上げたという特異なグループなのである。このようなSixTONESを支えるもの同士の団結力の強さが彼らが売れた最大の要素だと考えられる。
SixTONESのこれから
以上のように、SixTONESが人気の理由をみてきた。その理由は、歌唱力の高さ、海外向けに発信しているということ、KAT-TUNと重ねているところの3つがあった。とくに3つ目は、他のグループとは違うファンと事務所の強い信頼関係でグループが成り立っているという要素があった。この関係性は公表されていない。しかし、だからこそその結束は、より強固なものになるのである。これは、友人と2人だけの秘密を共有しているときの心情と似ている。SixTONESはこのような心理的な作戦で売り上げを伸ばした。まさに新しいマーケティングの方法とも言えるだろう。新しい形でジャニーズの歴史を塗り替えるSixTONESに今後も期待したい。