LEXが日本語ラップ界で人気の理由
LEXは不思議な人なのね
突如、日本語ラップ界に新生スターが誕生した。それは19歳のティーンラッパーLEX氏だ。彼は、16歳で音楽を始め、18歳のときにアルバムを発表して堂々デビュー。現在はアルバムで新曲を発表する傍ら、JP THE WAVY氏やDJ RYOW氏など日本語ラップ界の名だたる有名人とフィーチャリングを重ねている。そんな突如、日本語ラップ界に現れた不思議なラッパーLEX氏はなぜ人気になったのか。今回はその真相に迫る。
LEX氏が日本語ラップ界で人気の理由
理由は3つある。1つ目は、彼の言語発音能力の高さだ。恐らく、ほとんどの人がLEX氏に惹かれる理由はこれだろう。彼は本来、リズムを刻むラップの中に誰もが思いつかないメロディアスな発音で言葉を乗せることが上手い。これは実際に曲を聴いてみないとわからないと思われるが、彼は言葉の語尾や言葉の途中を絶妙な長さで伸ばすことで、リズムの中にメロディを付けているのである。そのため、ラップを普段聴かない人であっても彼の楽曲はメロディアスに聞こえるので引き込まれるのである。このようなラップを披露するラッパーは日本語ラップ界には彼しかいない。人気の秘訣は彼のラップ技術の高さにあるのだ。
2つ目は、フィーチャリングで120%の良さを出せる素質だ。彼は、自身の楽曲では個性を爆発させることで魅力を発揮している。しかし、数々の有名ラッパーとフィーチャリングするときは、そのラッパーの曲の世界観を壊さないように曲に自身を上手く合わせている。そして、曲の合間を突きながら「LEXらしさ」を披露していくのである。その例として挙げられるのが、JP THE WAVY氏の「Pick N Choose」だ。この曲でLEXは、JP THE WAVY氏の次にラップを披露するのだが、彼はJP THE WAVY氏のラップのリズムをそのまま引き継ぎ、さりげないタイミングで自身のパートへとリスナーを引き込むのである。しかし、それだけでは個性のないラップになってしまう。そこで彼は、JP THE WAVY氏のラップのリズムを引き継ぎながら、歌詞の内容を自身のタトゥーにすることでJP THE WAVY氏の世界観を壊さずに「LEXらしさ」を上手く披露しているのである。これが彼のフィーチャリング技術だ。フィーチャリングをするラッパーとしては完璧な立ち位置を取るのである。そのため、数々の有名ラッパーからフィーチャリングの依頼が絶えない。まさにフィーチャリング曲をも自身の名刺のようにすることで、次々とその名を売り出しているのである。これが彼の人気の秘訣だ。
3つ目は、彼のセールスの上手さだ。実はLEX氏はEriCAという楽曲の中で自身のアパレルブランドであるsantaworldview420についてラップしている。つまり、彼は楽曲自体をCMとして使っているのである。こうしたラッパーは日本にはあまりいないため、かなり注目を集めることができる。しかも、この楽曲では彼のアパレルブランド名であるsantaを連呼する形になっている。これはテレビで良く目にする整形外科のCMの手法を真似ているのである。このように、実際に成功しているCMの手法を自身の楽曲に取り込むことで楽曲の注目を集めつつ、さらにその楽曲でブランドのCMもできるという二重の良いとこ取りができるのだ。こうしたところから彼は、ラップだけでなく、マーケティングの手法としてもかなり高い技術を持っていることがわかる。
LEXのこれから
以上のように、LEXが日本語ラップ界で人気の理由について見てきた。その理由は、言語発音能力の高さ、フィーチャリングで120%の良さを出せる素質、セールスの上手さの3つが関係していた。この3つを総合してみると、彼は日本語ラップ界の中で極めて異端であることがわかった。天才的なラップセンスとマーケティング力を活かして、是非とも世界に誇れるラッパーとして羽ばたいてほしい。