妖怪ウォッチが人気の理由
妖怪ウォッチが人気
2013年、新しいキャラクターブームが訪れた。それは妖怪ウォッチ。ジバニャンと呼ばれる猫の妖怪を中心としたキャラクターが子どもたちの間で大ブレイクした。一時はゲームソフトの売り上げが90万本。そしてアニメ化も決まり、ようかい体操などアニメ関連楽曲がNHK紅白歌合戦に進出するなど社会現象とも言えるブームを巻き起こした。なぜ、妖怪ウォッチの人気が出たのか。今回はその謎に迫る。
妖怪ウォッチが人気の理由
その理由は3つある。1つ目は、大人気アニメ要素を総取りしているということだ。妖怪ウォッチは、「ポケットモンスターシリーズ」のように、妖怪を集める仕組みを取っている。また、キャラクター構成に関しては、ガキ大将キャラ、お金持ちキャラなど「ドラえもん」を意識した作りとないる。そして極めつけが「たまごっち」を彷彿とさせる可愛らしい妖怪と、ポケットモンスターシリーズに登場する格好いいポケモンを意識した妖怪キャラである。このように幾つものヒット作を上手く取り入れたことで子どもたちの心を鷲づかみにしたのだ。
2つ目は、男女どちらにも好まれるキャラクター構成だ。先述した通り、妖怪ウォッチは可愛らしいキャラについては「たまごっち」、格好いいキャラについては「ポケットモンスター」を意識している。そのため、男の子、女の子のどちらも親しみやすいため、性別に関係なく人気が広がる仕組みを構成しているのである。また、可愛らしいキャラを入れることによって、さらに他の需要ができる。それは、UFOキャッチャーの景品だ。UFOキャッチャーの景品は、可愛らしい縫いぐるみが選ばれやすい。そのため、そこに進出ができるのだ。しかし、それだけを狙って商品化しているのではない。実は、UFOキャッチャーの景品にすることによって、新たな顧客を掴みたいという思惑があるのである。そのターゲットは、高校生以上の大人だ。UFOキャッチャーは、そもそもプレイすることが難しく、どちらかと言うと、大人向けの遊びとして導入されている。そのため、景品に妖怪ウォッチの可愛らしいキャラを配置することで、可愛いキャラクターを求めている大人の層に妖怪ウォッチの人気を広げたいという思惑があるのである。
このように、妖怪ウォッチは男女に好まれやすいキャラを生み出すことで、商品展開を柔軟に対応できるようにしたのである。これが、妖怪ウォッチのブームをさらに広げた要因の1つである。
現役を引退された妖怪ウォッチのキャラ人形がUFOキャッチャーの土台になってて草 pic.twitter.com/HP7ZL8Gbxf
— ゲームセンター名人2号 (@1986STARSOLDIER) May 20, 2021
ポケモンの暗黒期
3つ目は、妖怪ウォッチの流行期がポケットモンスターシリーズの暗黒期と被っていたということである。ポケットモンスターシリーズはアニメとゲームが売り上げを左右する。しかし、この妖怪ウォッチブームの時期に運悪く、妖怪ウォッチの存在にかかわらずアニメ・ゲームのどちらもヒットせず、ファンからはポケモン暗黒期と称されるほどだった。しかも極めつけはマクドナルドだ。従来、マクドナルドハッピーセットの景品であるカレンダーは毎年、ポケットモンスターシリーズだった。しかし、この時期のみマクドナルドは妖怪ウォッチをカレンダーに採用したのである。このように、ポケモンが暗黒期を迎えてしまったため、小学生などの若年層顧客がポケモンを離れ、妖怪ウォッチに進出したと考えられる。これがマクドナルドのカレンダー事情から見て取れるのである。
妖怪ウォッチのこれから
以上のように、妖怪ウォッチは何故人気が出たのかを見てきた。その理由は、大人気アニメ要素の総取り、男女どちらにも好まれるキャラクター構成、ポケットモンスターシリーズの暗黒期という3つだった。
このように人気をポケモンから確実に奪ったかとみられた妖怪ウォッチ。しかし、現在は人気が低迷している。妖怪ウォッチ事態はヒットする要素を確実に持っているので、ここから復活することが待ち遠しい限りである。