なぜ、ファーストテイクがYouTubeで人気なのか
THE FIRST TAKE とは
近年、盛り上がりを見せるYouTube業界。さまざまなYouTuberが出現し、その動きはさらに加速し続けている。そんな中、ある1つのYouTube音楽チャンネルが話題となっている。それは、THE FIRST TAKEだ。この音楽チャンネルは、マイクが1本だけ立っている真っ白いスタジオに有名アーティストが自身の曲を歌うといった構成の動画である。しかし、他の音楽チャンネルとは決定的に違うところがある。それは、参加アーティストは必ず一発撮りで歌うという条件が付いているところだ。現代では音楽や歌声を編集することは簡単なはずだが、なぜ一発撮りがウケたのか。今回はその理由に迫る。
THE FIRST TAKEが流行った理由
THE FIRST TAKEが流行した理由は3つある。1つ目は、口パク文化にウンザリした視聴者の増加だ。近年、テレビの音楽番組では口パクが噂されている。確かに音楽番組を見ると、激しいダンスをしながら歌っているグループが出演している。もちろん筆者はこれら全てのグループが口パクとは言っていない。しかし、肩で息をしながら歌って踊っているグループを見ると、さすがに歌を歌えているのか疑問に思うことはある。これは恐らく、筆者以外も感じていることだろう。特に最近はテレビ番組のヤラセが多い。そのようなことも重なり、「どうせ口パクで歌っているんだろ」といった形でアーティストが見られることが増えてしまった。その結果、視聴者は音楽番組に飽きはじめていたのである。そこで、現れたのがTHE FIRST TAKEだ。この音楽チャンネルは、高性能なマイク1本に対して、アーティストが一発撮りに挑む。もちろん一発撮りのため、失敗は許されない。万が一、少しでも音程を外せば、高性能マイクがそれを拾い、世界中へ届けてしまう。そうしたスリリングな状況で本当に歌えるのか、といったところにYouTube視聴者の需要があったのである。そのため、THE FIRST TAKEは一気に人気が出たのである。
2つ目は、一発撮りに挑むアーティストの物語性だ。THE FIRST TAKEは、ただ一発撮りに挑む映像を流すだけではない。アーティストがどのような姿で、マイク1本しかない緊迫した空間に入ってくるのか、どのような心境で歌を披露するのか、そういった映像を流すのである。そうすると、アーティストが歌う前に緊張している姿が映し出されることがある。これが視聴者の感情を引き立てるのだ。「あの有名なアーティストでも本番は緊張するんだ。」そうしたところから勇気づけられる視聴者も多い。従って、THE FIRST TAKEは、ただの音楽番組ではなく、ドキュメンタリー番組でもあるのである。しかも、ドキュメンタリー映像から音楽映像に切り替わる仕組みとなっている。そのため、アーティストの歌が、より視聴者に響きやすくなる。そうしたことから、THE FIRST TAKEのリピーターが増え、興味のないアーティストのTHE FIRST TAKEの動画も見てみようということに繋がり、再生回数が伸びるのである。
3つ目は、音楽を聞く行為を再び楽しんで聞くものに戻したことである。以前、筆者が掲載した「ミュージシャンの作る音楽プレイリストが不要なワケ」でも取り上げたが、現在はサブスクリプションサービスの影響で、音楽はBGMとして聞くものになった。しかし、THE FIRST TAKEは、先述したように音楽にドキュメンタリーと一発撮りという2つを付け加えたことで、音楽を再び、「聞いて楽しむもの」に変換したのである。これは近年、サブスクリプションで音楽を聞き流すことに慣れていたティーン層からすると、非常に新しいものとして受け入れられ、支持を得ることに成功したのである。
YouTubeに生の緊迫した音楽を
以上3つがTHE FIRST TAKE人気の秘訣である。このように見るとTHE FIRST TAKEは音楽の世界を一新したように見える。しかし、実はそうではない。昔の音楽の楽しみ方をそのままYouTubeに持ってきたのである。テレビやラジオが無かった時代の音楽は全て一発勝負だった。客がいる前で演奏し、生の歌声を聞いてもらい、評価を得る。それが一般的だった。しかし、それがいつしか音楽は何度も取り直して1番良いものを披露するスタイルへと変化していったのである。もちろんそれは一発撮りよりもキレイな音声として、視聴者の耳に届くだろう。だが、視聴者が求めているものは実はそれではない。そのアーティストが1つのヒット曲を作ることにどれだけ苦労し、困難を乗り越え、今このステージに立っているか、それが知りたいのである。ラーメン屋で例えると、「小麦は日本製で独自の技術使って麺を作っています。」といったところだろうか。このような表示を見ながら食べると、ラーメンがより美味しく感じると思う。このように、人は表に出ていることの背景を知りたがる傾向がある。そうしたことをTHE FIRST TAKEは動画冒頭のドキュメンタリー映像で表しているのである。
THE FIRST TAKEは、これまでの技術である生歌の技術と新しいYouTubeという動画サイトの技術を合わせた、まさに温故知新と言えるだろう。これからも、音楽の視聴者に生演奏、生歌の重要性を示し続けてほしい。
イオンが人気な理由
有名になったイオン
今や全国どこにでも存在するイオン。特に近年、よく展開されているのがイオンモールだ。さまざまな専門店街がイオンモールの中に入り、大勢の客で賑わっている。実はイオンが広がりをみせたのはここ最近だ。それまでは、イトーヨーカドーなどが人気だった印象が強い。なぜ急激にイオンが勢力を伸ばしたのか。今回は、その秘密に迫る。
イオンが勢力を伸ばせた理由
その理由は3つある。1つ目は、専門店を大幅に増やしたことである。これまでのイオンはイオンとして商品を販売していた。例えば、紳士服だと紳士服コーナー、婦人服だと婦人服コーナーとして自社で売っていた。しかし、それだけでは他の商業施設と同じである。イトーヨーカドーなどの大規模なデパートには太刀打ちできない。そこで、1つの分野に特化した専門店をイオンという商業施設の箱に呼び、大きな商店街のようにしたのである。そしてその際、重要視したことは「流行」である。今流行りのファッションブランドを専門店街に誘致した。例えば、洋服だとユニクロやGU、H&MやZARA、WEGOなど、若者がよく購入するブランドを多数揃えたのである。そうすることによって、若者が気軽にウインドウショッピングのような感覚でイオンに来店しやすくしたのである。
さらにそれだけではない。同業の専門店を多数揃えることによって、競争が生まれる。その結果、専門店はライバルが多いため、値段や品質、流行など最先端のものを多数揃えて競うようになるのである。また、万が一専門店の人気が落ちてきた場合は、別の人気の専門店に変えてしまえばいい。このようにすることで、イオンは「流行を揃える地方の商店街」というイメージを客に植え付けたことで、一気に支持を得たのである。
2つ目は、コストを大幅に抑えたことである。まず、1番大きな支出は人件費である。しかし、イオンは売り場の大半を専門店にすることで、自社社員の人件費を大幅に削ったのである。また、専門店はアルバイトやパートを雇用することが多い。そのため、専門店も、テナント料だけ払えば出店できるので、有名なブランド企業が出店してくれやすい。このようなWin-Winな関係をつくることで、イオンと専門店はお互いにコストを抑えることに成功したのである。
次に大きな支出は土地代である。イオンは大きな規模で店を展開するため、土地代が多くかかる。そこで、田舎に進出したのである。確かに、イオンモールがある地域をよく見てみると、都会や中心地からかなり離れた何もないところに建っていることが多い。これは、都会に展開するよりも土地代などを安く済ませることができるからである。それだけではない。何もない田舎に進出することで、「あんな場所に大きな商業施設ができるのか」というインパクトの強さから、CMしなくても周りの地域住民に知れ渡る。そして、その地域住民全員を顧客にできるのだ。そうなれば、イオンに怖いものはない。なぜなら、その地域の顧客を全て掌握してしまっているのだから、同業者が進出することはないのである。そのため、半永久的にその地域を牛耳ることができる。いわば、ほぼ独占状態になるのである。
このようにこれら2つがイオン人気を支えているのである。
3つ目は、買い物からショッピングという体験の場へ変換したということである。これまでは商品を各階に分けて縦方向で、商品を売り出していた。例えば、紳士服だと2階、婦人服だと3階という感じである。しかしそれを辞め、横方向に長く商店街にいるように変えたのである。こうすることによって、各階へ移動する面倒な作業を減らし、ただひたすらまっすぐ歩くだけで、店が変わるという買い物客にとって、楽なスタンスに変えたのである。他にも、上の階へ移動するにはエスカレーターを積極的に採用した。こうすることで、エレベーターで人の流れが止まり、混雑して客がイライラすることを防いだのである。また、各階のフロアを吹き抜け式にして全てを見渡せるようにしたことで、閉塞感がなく、客が常にリラックスした状態で買い物ができる仕組みをつくった。そして、吹き抜け式であるため、客は上の階へ移動しなくても、上の階の店を見ることができる。そのため、客が「次にあの店に行きたい!」という好奇心を常に出せるような仕組みにしたのである。つまりイオンは、商店街が採用している仕組みを応用して、「立体的な商店街」をつくることに成功したのだ。これがイオンが人気の最大の理由である。
これからの商業施設
以上、見ててきたようにイオンは、専門店を増やしたこと、大幅なコストカットを行ったこと、ショッピングを体験の場に変えたことの3つを実行することで、これまでの商業施設に革命を起こした。このように、商業施設は単に商品を売るだけでは、Amazonなどのネットショッピングサイトに負けてしまう。これからは、買い物中の客が疲れないような工夫や、買い物をしているとワクワクするような体験を盛り込んだ施設を展開していくことが重要である。これからネット以外で商売を始めるには、楽しい体験型を意識してみると良いかもしれない。
野球が人気の理由
昔から続く野球人気
毎年、夏が近づくと盛り上がるスポーツがある。それは野球だ。甲子園で開かれる高校球児たちの戦いは社会現象になるほど、多くの人々に感動と勇気を与える。そして、秋に行われるプロ野球ドラフト会議。ここでその年に活躍した高校球児たちはプロ野球の世界へと、足を踏み入れるのである。このように、野球の一連の流れについてみてきたが、ここまで誰もが知っている有名なスポーツは他にあるだろうか。高校野球から大学、社会人、プロ野球などの世代が野球を行っても一定数の人気があるのである。その根源は一体どこにあるのか。今回は何故野球が人気なのかについて迫っていく。
野球が日本で人気の理由
日本で野球が人気の理由は3つある。1つ目は、1対1の対面勝負がサムライに似てるからである。これを聞くとピンと来る人は少ないだろう。野球は団体スポーツだが、実は1対1の場面が非常に多い。わかりやすい例でいくと、バッターとピッチャーだ。お互い向かい合ってピッチャーがボールを投げて、それをバッターが弾き返すという場面。他にも野手の打球処理。打者の打ったボールは野手の元へ飛んでいく。この状況では野手とボールの1対1の攻防が繰り広げられている。このように野球というスポーツの場面場面を切り取ると、実は1対1の真剣勝負が集まったスポーツだということがわかる。ではこれが何故、日本の野球人気と直結しているのか。それは武士の戦いである。日本は古くから争いといえば、武士による1対1で向かい合い、正々堂々と戦うということだった。そのため、その武士の戦い方と野球の戦い方が類似しているため、日本人の心を掴んだのである。このようなスポーツが外国に他にないか考えてみたが、団体スポーツで1対1を多く使うスポーツはおそらく野球だけだろう。そのため、日本人に野球が受けたのである。
2つ目は、テレビ中継の画面が見やすいからということである。これを言うと浅はかな考えだと言う人がいる。しかし、野球のテレビ中継画面をしっかり見ると、大変見やすい工夫が施されている。例えばサッカーやラグビーなどのスポーツは基本的には画面には点数や制限時間を記載するのが主である。しかし、野球はそれだけではない。点数以外にも今、ランナーがどこにいてるのか、次にバッターボックスに入る選手は誰なのか、今のピッチャーは誰が投げているのかなどの詳細が一目でわかるように工夫されている。そのため、途中からテレビをつけて観戦した視聴者でも今、試合がどのような現状で進んでいるかわかりやすい。その結果、野球を見る人の人数が自然と増え、それが野球人気に繋がったと考えられる。
野球中継画面に雨雲レーダーがある pic.twitter.com/30j2nHEFTH
— 奥 慶士郎 (@okudayo) May 26, 2020
3つ目は、日本人がアメリカで目立って活躍できるからである。なぜアメリカで活躍することが野球人気と直結するのか。その答えは、第二次世界大戦にある。日本は第二次世界大戦でアメリカに敗戦した。その後、アメリカによって国が建て直されたのである。そのときの悔しい気持ちが、密かに日本人の心の中に組み込まれているのかもしれない。そのため、アメリカ文化の中で日本人が健闘することに喜びを感じているのではないだろうか。もちろん露骨に「アメリカに勝った!!!」という感情ではない。おそらくは無意識のうちに、「世界で1番を誇るアメリカの大舞台で日本人が堂々と立っている。日本人はやっぱりすごい!!」と思っているのではないだろうか。そのようなアメリカの文化でアメリカに勝てるのは野球しかない。そのため、野球人気が出たのではないだろうか。
When Shohei Ohtani comes up! The whole crowd cheers!
— 大谷翔平⚾️Ohtani Shohei ❶❼ (@shoheisaveus) July 6, 2021
MVP MVP MVP MVP!
Happy Birthday! #大谷翔平 #WeBelieve pic.twitter.com/23KpjqCvRk
(アメリカで活躍する大谷選手)
日本の野球
野球は今もなお、多くの人々を魅了し続けている。特に近年は大リーグに挑戦する日本人選手が増加した。アメリカの文化でアメリカに勝てるのは、野球しかない。特に、近年はIT化が進み、日本はますますアメリカに追いつけずにいる。そういった現状から、大リーグで活躍する日本人選手が、多くの日本人に自尊心と勇気を与えることは間違いない。我々も大リーグで活躍する日本人選手を目標に世界で活躍できる人にならなくてはならない。
釣り用ベストはおしゃれなのか?なぜ流行??
洋服の流行のながれ
移り変わりが激しい若者のファッション。つい数年前まで、メンズズボンは黒のスキニータイプが良いとされていた。筆者も黒スキニーを買って履いていた。しかし、気がつけば2年経たないうちに周りから黒スキニーを着用した男子が減っていくではないか。焦って知人に尋ねると、「もう流行ってないよ。」の一言。いつの間にか時代に取り残されてしまった。
そんな筆者の悲しい経験はさておき、現在は「釣り用ベスト」が男女問わず若者に人気らしい。釣り用ベストといえば、よく海や川で釣りをしているおじさんが身に着けている、あのたくさんポケットのあるベストのことだ。筆者の価値観は古いため、どう見てもこれがオシャレには見えない。では、なぜこれが流行っているのか。トレンドに目を向けながら分析していく。
近年の若者ファッションの傾向
ここで近年の若者のファッション傾向について見てみる。男子も女子も問わずこれまで人気だったのが、シンプルな服装だ。男子は特にスエットにボトムスやスキニー、女子もそれに似た服装が多かった。スエットの色も白や黒とシンプルなものが多く、清純さを感じられる服装が好まれる傾向だったように感じる。それはここ5年ほど前からだろうか。ごちゃごちゃした服装よりも清純さが若者のトレンドになっていた。この5年という数字はちょうど流行の節目とも見ることができる。洋服の流行は、おおむね5年から10年のスパンでガラッと変わる。そのため、ちょうど今回がその「清純さ」がトレンドになってからだいたい5年目になるのである。新しいファッションが出てきてもおかしくはない。そこで登場したのが釣り用ベストだったのである。
釣り用ベストが流行した理由
理由は3つある。まず1つ目は、コロナ禍で釣りを始めた層が初めて釣り用ベストを認識したということだ。これまでは釣りの専用服だった。しかし、近年のコロナ禍の影響でキャンプと共に若者に注目されるようになり、若い世代に釣りが浸透した。その結果、独特な釣り用ベストもにも注目が集まり、流行したと考えられる。
2つ目は、これまでのシンプルというトレンドの上に個性を出したかったということである。ここ数年はSNSの影響により、没個性的な服装が流行していた。しかし、やはりそうなると、一部でトレンドの波に乗りながら自分の個性を出したいという層が出てくる。これは前回、「JKや女子大生の間で何故、クリアケースが流行しているのか」で述べたように、「量産型×個性的」という若者の葛藤から生まれたトレンドである。これまで流行してきた白のスウェットにボトムスというファッションの上に釣り用ベストを重ねて着る。そうすると、量産型のファッションが一気に個性的な着こなしへと返信する。しかし、量産型のファッションを忘れたわけではない。それはちゃんと、釣り用ベストの間から垣間見えている。まさにクリアケースと同様の理論がこの釣り用ベストにも適用されているのである。これが2つ目の理由である。
3つ目は、そもそもアパレル業界が洋服のパターンを全て出し尽くしてしまったというところである。確かに洋服のパターンを見ると、全く新しいファッションのパターンというのは近年なかったように思える。近年流行したスキニーやプロデュサー巻き、シャツをズボンにインする着こなし方などは数十年前の焼き直しである。そのような状況を客も薄々気づいてきており、過去に流行ったものを取り上げても、「また昔の焼き直しか」としらけてしまう。そこでいっそこれまで全くファッションとして取り入れられなかった釣り用ベストを取り入れると斬新でウケるのではないかと考え、製作に至ったのではなだろうか。
ファッション文化の今後
洋服のファッションは移り変わりが激しい。その中で、今回は新しいファッションの1つである釣り用ベストを見てきた。これをファッションとして取り入れたのは恐らく日本が初めてであろう。いつもはアメリカからファッション文化が輸入されそれが流行してきた。これからは私たちの生活の身近なところにある衣服がトレンドの先端を走る時代になっていくのかもしれない。それの第1号として、今回釣り用ベストが誕生した。釣り用ベストが、マンネリ化した日本のファッション文化に風穴を開けてくれることを期待した。
未確認飛行物体UFOの人気が低迷した理由
特番の代名詞である未確認飛行物体
季節の変わり目は特番が多い。いつも深夜に放送している番組がゴールデンに進出したり、歌番組のスペシャルが流れたり、その特番の種類も様々である。そういえば、これまで特番で頻繁に取り上げられていたあるものは最近みない。それは未確認飛行物体(UFO)である。一昔前までは、季節の変わり目の特番の代名詞とも言える番組だったが、ここ最近は1年に数回、放送してれば良い方というぐらいめっきり放送が少なくなった。なぜ、これほどまでに減ってしまったのか。今回は、その原因について探っていく。
未確認飛行物体の特番が減った理由
その理由は3つある。まず1つ目は、カメラ技術の大幅な向上である。カメラはここ10年で非常に解像度が上がった。例えば人の顔を撮影すると人の目の虹彩(こうさい)から反射した映像が写真でハッキリ読み取れるまでに成長している。それだけではない。ここ10年で普及したスマートフォンの存在もある。スマホのカメラも非常に解像度が良く、さらに毎日持ち運ぶことができるのである。そのため、何か不思議な現象が起きた場合、すぐさま手持ちのスマホで撮影できるようになったのである。ここまで技術が向上したのだから、普通に考えれば、より未確認飛行物体の映像を捉えやすくなるはずである。しかし、その映像はほとんど出てこない。ということは、やはりこれまで未確認飛行物体として扱われていたほとんどが、カメラの解像度の問題だったということになる。そのことを視聴者が知ってしまったのである。そのため、こうした番組の数は減少傾向にあると考えられる。
続いて2つ目は、なかなか未確認飛行物体の回答に届かないということである。こうした番組の多くは、世界中の不思議な写真や映像を集めて、視聴者に不安を煽るような内容で放送するが、番組の最後に結論として結局、未確認飛行物体は何なのか疑問が残ったまま終わってしまうのである。もちろんこれは現代の科学では解けない問題であるため仕方ない。しかし、視聴者はその答えを聞きたがっているのである。そのため、未確認飛行物体について放送するテレビ局側と視聴者側でニーズの違いによって摩擦が起き、その結果、視聴率が悪くなり、こうした番組はどうしても減少傾向になってしまうのである。
3つ目は、実際にアメリカで信憑性の高い未確認飛行物体が確認されたからである。今までは、国家がそうした情報を提供することはなかった。そのため、テレビ局メディアが代わりに未確認飛行物体について取り上げていたのである。しかし、アメリカの空軍が未確認飛行物体について真剣に議論してしまったため、これまでのオカルトチックな内容では視聴者は満足できず、もっと科学的に真剣に未確認飛行物体について考え始めたのである。そのようになると、従来のオカルトチックな未確認飛行物体番組の役目はなくなってしまう。つまり、未確認飛行物体は現実的になることによって、これまでのオカルトチックな番組を一掃してしまったのである。恐らくこれが番組減少の最大の理由であろう。
未確認飛行物体の今後
今現在は、こうしたアメリカ空軍の報道を受けて、各テレビ局はどのようにして未確認飛行物体を扱った番組を放送するか考えているのかもしれない。そういった意味では、これまでのオカルトチックな未確認飛行物体の番組を第一次未確認飛行物体番組とすると、現在は事実を多数盛り込んだ科学的な未確認飛行物体の番組である第二次未確認飛行物体番組へ移行する過渡期なのかもしれない。そう考えれば、これからの特番が楽しみになってくる。
ラーメンはなぜ大学生に人気なのか
大学生に人気のラーメン
大学生になると、外食でラーメンを食べる人が多い気がするのは筆者だけだろうか。特に男子大学生はTwitterやインスタにラーメンの画像を投稿している頻度が高いように思える。中にはラーメン巡りまでする大学生もいる。筆者も大学生のときはよく友人とラーメン巡りをした。人気の行列店に何時間も待ってラーメンを食べることもあった。そのときの行列は、ほとんどが自分と同じ年の男子大学生だった。なぜ、ラーメンは大学生に人気なのだろうか。今回は、その謎について自信の体験を踏まえながら追っていく。
ラーメンが人気の理由
ラーメンが人気の理由は3つある。まず1つ目は、手頃な価格である。ラーメンは一杯500円から900円ほどの値段である。ちなみに、大学生のアルバイトの給料は自給900円から1500円が多いため、ラーメンの値段は大学生からすれば高くもなく、安くもない非常にちょうど良い価格である。そのため、経済格差を気にせず友人を誘いやすい。また、例えお金がないからと断られたとしても、手ごろな価格であるため、奢ることができるのである。そうした理由で男子大学生から好まれていると推測できる。
天下一品一宮店ナウ🐺🎵@UQ7DLl9DmpYKgme
— コレン@team【ROCKBEAST】 (@korentrb) July 6, 2021
こってりシテマス🐺🎵 pic.twitter.com/Ki5035OfLV
(ラーメン店「天下一品」の様子)
2つ目は、手頃な価格でたくさんの量を食べられることである。ラーメンは、どのお店も量が多い。ましてや、大盛りが無料のお店もある。そのため、大学の講義終わりやサークル終わりのお腹がすいた状態で外食するお店を選ぶとき=ラーメンという思考が出来上がるのである。その結果、ラーメンを食べている大学生が多くなるのである。
3つ目の理由は、ラーメン店の種類が多いため、評論家気取りができるということである。筆者が知っているチェーン店だけでも、一蘭やズンドウ屋、天下一品などかなりの数がある。そして、チェーン店以外にも個人経営のラーメンを極めたお店は非常に多い。そのため、食べ比べを簡単にすることができるのである。その結果、ラーメンに通い詰めた大学生同士でラーメンについて語り合うことになり、それが口コミとなって、さらにラーメン店に殺到する大学生が増えるのである。
大学生に不動の人気を誇るラーメン
以上のように、ラーメンはなぜ大学生に人気なのかについて見てきた。これらの条件を満たす外食は他にないため、しばらくラーメンは大学生ご用達のお店として不動の地位にあるだろう。これからも大学生の胃袋を支える食べ物として、存在感を出し続けてほしい。
任天堂Switchがヒットした理由
話題のゲームSwitch
販売当初から話題となった任天堂Switch。昨年は新型コロナウイルス感染症の巣ごもり需要の影響で、「どうぶつの森」が大ヒットするなど、今なお、話題を集めている。
近年では、スマートフォンが普及し、ゲームといえばスマホゲームが主流となっていた。スマホゲームは基本的に無料で楽しめるため、これまでの「お金をかけてゲームをする」といった常識を打ち砕き、ゲーム業界に新しい風を通した。しかし、Switchはそのスマホゲーム全盛期の2017年に誕生し、その状況を一変させ、新規ユーザーも獲得して大成功。なぜスマートフォンで遊べる時代に「お金をかけてゲームをする」ゲーム機が流行したのか。詳しく分析していく。
スマホゲームの特徴
スマホゲームはアップルストアなどからダウンロードして、すぐに無料で遊べる。ゲームの種類も豊富であり、パズルやRPGなどジャンルも多彩だ。そして、これらのゲームは、「いつでもできる」という特徴がある。スマホはいつでも持ち歩くため通勤中や、通学中、待ち合わせなど暇な時間を全て満たしてくれる。つまり、スマホゲームはこれまでの「ゲーム=楽しみ」というものから「ゲーム=暇つぶし」という定義を新たに作ったのだ。そのため、スキマ時間でゲームをする人が増加。一気にゲーム業界のシェアを獲得したのである。
また、スマホゲームは誰でも同じゲームができるため、楽しさを友人や周囲の人々とすぐに共有できるメリットがある。そのため、ニッチな種類のゲームでも口コミで広がり、どんどんスマホゲームにのめり込んでいく人が増えた。
そしてスマホゲームの最大の特徴は、「ゲームに終わりがない」ということだ。どのスマホゲームもこれまでゲームには必須であったエンディングが存在しない。つまり、無限に遊び続けられるのである。エンディングが存在するゲーム機とは対照的だ。
ここまで見てくると、ゲーム機Switchでゲームをするメリットは1つも見当たらない。では何故Switchがヒットしたのか
Switchがヒットした理由
考えられる理由は4つある。まず1つ目は、スマホ無料ゲームのマンネリ化だ。先述した通り、スマホゲームは無数に存在する。しかし、スマホは画面が限られており、狭いため、その画面の大きさがネックとなってゲーム操作の自由度が減り、似通ったゲームが多くなってしまう。その結果、手軽さからスマホゲームに移った人たちが再び大画面で操作自由度の高いゲームを求め、ゲーム機Switchに出戻りしたことが原因の1つと言える。
2つ目は、スマホがいつでも手軽にできるため、ゲームの希少性が減ってしまったことだ。現代社会は忙しく、時間がない人が多い。そのような状況で、わずかな時間を見つけ、仕事から帰ってゲーム機Switchで遊ぶ。そういった「学校から帰ったらゲームをする!」という少年時代のワクワク感は、いつでも手軽に遊べるスマホゲームには存座しない。そのため、ゲーム機のSwitchが流行したと考えられる。
続いて3つ目は、スマホゲームでゲームのおもしろさを知った新しい顧客だ。特にポケモンGOの存在が大きいだろう。
ポケモンGOはGPS機能を使って実際の道を歩き、ポケモンを捕まえるゲームである。このゲームは歩数計と連動させて遊ぶので、健康を意識した高齢者層にもヒットした。おそらく、このポケモンGOがこれまで「ゲーム=子どもの遊び」という認識を持っていた大人の層の認識を変えた。
それが特に顕著なのが、ポケモンGOとSwitchの連動だ。その例として、「ポケットモンスターLet's Go! ピカチュウ、Let's Go!イーブイ」がある。この作品はポケモンGOと接続して遊べる。特にポケモンGOとSwitchを連動して孫と一緒に遊んでいるCMがお茶の間に大きなインパクトを与えた。この影響で、ポケモンGOをしていた高齢者層のユーザーが本格的にゲーム機Switchを導入するきっかけとなったと思われる。
このようにして、任天堂はこれまでゲーム顧客の対象外だった高齢者層にも顧客の幅を広げた結果、Switchの売り上げ増加に繋がったと考えられる。つまり、今流行りのスマホゲームを入口にして、ゲーム機に上手く誘導したのである。
最後の4つ目は、ゲームから距離を置いていた層の復帰である。恐らく、この影響が一番大きいのではないだろうか。スマホゲームでゲームに再び触れるようになり、もう一度本格的にゲームをしたい。そういった好奇心から再びゲーム機であるSwitchを手にした人は多いと思う。その理由として、Switchは過去にWiiやDSなどの人気作品のリメイクが多い。従って、その時代にゲームを親しんでいた世代が、大人になり、働いてお金を貯める。そして、コロナ禍も重なり自粛生活が続いて、行き場を失ったお金で思い出のゲーム作品が多いSwitchを買う。そういった人が多かったのではないだろうか。
楽しかった時間を新しく作る・蘇らせるSwitch
以上のことから、ゲーム機Switchがなぜ大ヒットしたのか結論が見えた。任天堂は「ゲーム=暇つぶし」となってしまった人々の認識を「ゲーム=楽しみ」という認識に戻しただけでなく、ワンランク上の楽しい時間やワクワクを思い出させる「ゲーム=楽しい時間の提供」といったベクトルに飛躍させた。
従って、任天堂はSwitchの発売で、ゲームを新たなステージへ向かわせたと言える。このような手法を産みだした任天堂は、これからさらにゲーム業界の幅を大きく広げてくれるだろう。次の新作は何か。今から待ち遠しい限りである。
ネット掲示板が廃れない理由
インターネット初期から存在する掲示板
インターネットが携帯に付随する前の西暦2000年代。インターネットに掲示板が登場した。この掲示板は自由にいろんなことをいろんな人が書き込めることで人気を博した。例えば、1つのことについて、たくさんの人に意見を尋ねたり、共感を求めることや情報を共有するなど、使い方は千差万別だ。それが掲示板の良い所である。しかし時代は移り変わり、今では掲示板に頼らなくても、自由なことを発信できる手軽なツールがたくさんできた。それはTwitterやFacebook、Instagramなど手持ちのスマートフォンから気軽に自分の情報や意見、共感を求めるものを発信できるSNSアプリ(以下SNS)である。そのような手軽なSNSができたにも関わらず、ネットの掲示板は今なお、健在だ。なぜネットの掲示板は廃れないのか。その真相に迫る。
掲示板とTwitterやFacebookなどの違い
まずは違いについて見てみる。両者が大きく異なっている点は、人物の匿名性だ。特にFacebookは本名で本人が発信することが主となっている。Twitterなども偽名を使って使用することは可能だが、アカウントを特定できる名前が必要になる。これに対して、掲示板は一切その必要がない。(IPアドレスという個人を特定するものは存在するが、「名前」として扱われてはいない)そのため、匿名で名前や写真を使うことなく自由に書き込みができるのだ。これが恐らく掲示板の一番の強みだと思われる。これを書くと、「誰が書いたかわからない文章を読んで楽しいのか。」そういった意見が出てくるだろう。実はそれが唯一無二の掲示板の魅力となっている。
掲示板は本音を言える心のノート
先述した通り、近年はTwitterやFacebookの出現で本人が自分の思いを言うことがメインとなってきた。そのため、ひとたび不適切な発言をすればすぐ話題となり、アンチと呼ばれる人からたくさんの攻撃を受ける。従って、こうしたSNSに文章を載せるときは肩身の狭い思いをして不適切な部分はないか入念にチェックして投稿するのである。ここまで読んでいただいた人はお気づきだと思うが、そうした肩身の狭い投稿が増えると、逆にキレイゴトが増え、本音で物事を語れなくなってしまう。つまり、不適切な発言を避けるあまり、無意識に本音を抑えた書き込みをしてしまっているのである。そうした状況が続くと、当然その吐け口が必要となる。しかし現代は、隣りの友人もSNSをしている時代。安易に話せば、その内容がいつどこでネットに拡散されてもおかしくない状況である。そのため、友人にも気軽に話せる機会は減少したのではないだろうか。そこで、行きついたのが掲示板である。掲示板は匿名で何でも言うことができるので、本音で書き込みをしやすい。よほどの過激なコメントでなければ、そこには同じような思いを持った人々が集まるため、理解もある。そうした状況で掲示板は勢いが衰えることなく現代まで続いているのではないだろうか。
もう一つは、掲示板には文化が形成されているということである。近年では、SNSで文字を送るときに文字の語尾に笑うことを示す「W」や、何か失敗してしまったことを表現する「~ンゴ」などが有名である。このように掲示板には独特な文化圏が形成されているため、そこに入ることで一種の所属意識的な作用が働いていると考えられる。わかりやすく言えば、日本語の関西弁がそれに該当する。「なんでやねん」や「~やん」など、関西特有の言葉を使うことで自分の所属している文化圏を明確にし、使っているうちに愛着がわくのである。おそらくネットの掲示板もそうしたある種、「ネットの方言」を産みだしたことで、所属意識が芽生え、それがネット掲示板の人気に繋がっていると考えられる。
掲示板は日本の新しい地方都市
以上のことより、ネット掲示板がなぜ廃れないのか、理由を探ってきた。結論としては、掲示板が唯一本音をさらけ出せる場所ということや「W」や「~ンゴ」など一種の方言を産みだしているといった特徴から、掲示板は人々に本音で人々と話せる場所を提供する「昭和の村」のような役割を担っていることがわかった。
コロナ禍の影響もあり、直接的な人々との関わりが希薄になりつつある現代。しかし、ネットの掲示板には本音でぶつかり合える昔ながらの昭和の村が残っていた。
なぜAKB48よりも乃木坂46、櫻坂46の人気が出たのか
爆発的大ヒットを記録したAKB48
2010年代。1つのアイドルグループが芸能界に革命を起こした。それは秋元康がプロデュースするAKB48だ。このアイドルグループは毎日、劇場に出演しているため、「会いに行けるアイドル」として有名になった。これは、これまでの芸能界では一般的だった「芸能人はスター」という常識を覆した画期的な方法である。そのため、アイドルを身近に感じられるということで、爆発的な人気を誇った。
その影響からか、AKB48には数々の姉妹グループが誕生した。例えば名古屋を拠点に活動するSKE48や大阪に拠点を置くNMB48、さらには海外にも進出し、インドネシアのジャカルタを拠点とするJKT48など日本だけでなく世界中に姉妹グループが存在する。その中でも今、日本で最も勢いがあるのが、乃木坂46と櫻坂46だろう。一見、アイドルに興味のない人からすれば、同じような姉妹グループに見えるかも知れない。
しかし、これらのグループは実はAKB48などの「会いに行けるアイドル」という軸以外にもう1つ軸を持つことで人気を博したのである。それは一体何か。そして何故、この2グループが人気なのか。今回はこの2つに焦点を当てながら見ていく。
AKB48の人気が低迷した理由
まずはAKB48から見ていく。このグループは数年にわたり、全ての世代の人々に莫大な影響を与えてきたことから、これからもAKB48は長くアイドルグループの頂点に君臨すると思われた。しかし、全盛期のメンバーが相次いでグループを卒業すると、人気は失速。2015年~2016年あたりからその人気は乃木坂46に負けるようになってきた。では、AKB48と乃木坂46のどこが違うのか。それはメンバーの多様性と言えるだろう。
AKB48はグループの人数が多いため、多種多様な系統のアイドルがいる。例えば、王道アイドル系の渡辺麻友やボーイッシュなショートカットの篠田麻里子、ギャル系をイメージさせる板野友美、そしてAKB48の顔とも言える存在の前田敦子など、メンバーそれぞれに系統があった。そのため、人間の千差万別の好みに対応できたことから、様々な人々を虜にできたのである。簡単に言えば、AKB48は、どんな種類のものでも揃う「アイドルの百貨店」のような存在になっていた。これだけを聞くと、AKB48は失速することなく、半永久的に大人気が続いてもおかしくはない。ではなぜ乃木坂46、櫻坂46が台頭してきたのか。
乃木坂46と櫻坂46の台頭
その理由としては冒頭で先述したAKB48にはない「もう1つの軸」が、これらのグループにあったということだ。乃木坂46で言えば、それは「清楚な均一性」という軸である。つまり、AKB48の「アイドルの百貨店」に対して、乃木坂46は「清楚アイドルの専門店」を展開したのだ。そのため、乃木坂46のグループメンバーを見ると、それぞれの個性が際立っているというよりは、グループメンバーが「清楚」という縛りの中で魅力を出している。おそらくこれが人気の秘訣であろう。大衆はAKB48という大きな百貨店で買い物をし過ぎた。そのため、今度は需要が1つに絞られた専門店に買い物をしたくなったのである。そこに目をつけた秋元康は、そのときの一番人気の高かった専門店である「清楚」に着目して乃木坂46を作ったのではないだろうか。
人気出た秘訣は他にもある。それは、現代の世の中が均一性を重視した社会になってきたという影響がある。特にここで注目したいのが若者の服の変化である。10年前は、それぞれに系統があった。例えばストリート系やおとなしめの服、かわいい系やギャル系など多様性があった。しかし、ここ数年を振り返ると、若者の服は似たような系統の服が多いことに気づく。10年前のように服装で明確に系統を分けることが難しい。これは、恐らくスマートフォンが普及し、SNSが生活の一部に組み込まれたことで、服装は「個人の系統を表すもの」から、SNSのいいね!をたくさん集める「承認欲求を満たすもの」へと変化を遂げたことが原因と考えられる。そのため、より良いね!が集まりやすいたくさんの人から好まれる服装を着る若者が増えたため、均一化が起きたのではないだろうか。話が脱線したが、このような現象から、均一性を無意識に追い求めるという思考になり、「清楚な均一性」の軸を持つ乃木坂46に軍配が上がったと考えられる。
では、櫻坂46はなぜ人気なのか。実はこのグループの軸は乃木坂46と同じ「清楚」にありながら、さらにもう1つの軸を持っているのである。それは、「均一性への反発」である。櫻坂46(改名前の欅坂46を含む)の歌詞に注目すると、均一性への反発心が多数見られる。例えば改名前の欅坂46の「サイレントマジョリティー」では、「君は君らしく生きていく自由があるんだ。大人たちに支配されるな」「NOと良いなよ」など均一性に反発した歌詞が出てくる。他にも、櫻坂46の「Nobody’s fault」では、「他人(ひと)のせいにするな」「それならいっそ孤独を選びな!」など力強い言葉で集団や多数に抵抗することが述べられている。つまり、乃木坂46の「清楚な均一性」という軸を持っていることに対して「清楚な反均一性」という軸を持つことで、今度は乃木坂46の均一化に飽きた層を櫻坂に取り入れたのである。これは秋元康の恐るべき手腕といえるだろう。
従って、これら2つのグループは時代に合わせた軸を持つことで、AKB48よりも人気を得たのである。
ここで気づいた人も多いと思うが、櫻坂46で「清楚な反均一化性」が推し進められると、いずれ再び多様性のAKB48の人気が再燃する可能性があるということだ。つまり、48、46グループはそれぞれAKB48→乃木坂46→櫻坂46→AKB48とそれぞれのグループの特性を循環させているのだ。このようにしておけば、48,46グループが衰退することはない。もし万が一仮に、衰退しかけても、別の軸を背負わせた48,46グループを立ち上げて、この循環の中に当てはめれば良い。従って、AKB48は人気がなくなったわけではなく、社会のニーズに合わせて他の姉妹グループに順番を譲っただけであり、単に人気がなくなったわけではないのである。
48,46グループのこれから
48,46グループはこのようにして社会のニーズに合わせてきた。このシステムは、社会のニーズが変われば新たな軸を持ったグループを増やすことで、グループの人気を維持することができる。そして、有名なことではあるが、流行は繰り返す傾向にある。そのため、一時的に今は人気が低迷したとしても必ずいつか人気に火がつく可能性を秘めている。現在のAKB48は、まさに「チャンスの順番」を待っているかのようだ。
タピオカブームが不況の前触れを表す理由
過去に2度起きているタピオカブーム
2019年、日本中でタピオカブームが起きた。Gong cha(ゴンチャ)や、春水堂(チュンスイタン)の店の前に長い行列を見かけた人は多いだろう。実はタピオカブームは2019年が初めてではない。過去に2度、ブームを起こしていた。
第1回目のブームは1992年。このときはココナッツミルクにタピオカを入れる「食べるタピオカ」が流行した。
第2回は2007年。1992年のブームとは違い、タピオカをゼリーやたい焼きの生地に練り込むことや、ジュースの中に入れる「混ぜるタピオカ」が流行した。
第3回は記憶に新しい2019年のタピオカティーの「飲むタピオカ」ブームである。
このように、過去に約10年の間隔でブームが起こっている。ここで注目したいのが、そのブームを巻き起こした年である1992年、2007年、2019年。実はこの年は全て、日本で経済的な大打撃を与えた、あるいはその前触れの年だった。
タピオカブームの到来は不況の前触れ
例えば、1992年はタピオカブーム時にバブルが崩壊。大手金融機関が次々に倒産し、デフレ不況を迎えた。続いて、2007年は2008年のリーマンショックの前触れ。ブーム直後にアメリカを起源とする金融危機に直面した。そして2019年、ブーム直後にコロナ・ショックが発生。新型コロナウイルス感染症の拡大により経済が低迷し、現在も世界中で深刻な被害が続いている。
この状況から、経済界ではタピオカブームの到来=不況の前触れと言われている。しかし、タピオカブームと不況の因果関係は詳しくわかっていない。そのためこの現象は、経済界では経験上よく当たる事物を示す「アノマリー」として扱われている。
そこで今回はタピオカブームと不況の前触れの因果関係を掘り下げ、経済的な視点と世間の動向から分析した。
タピオカブームと景気の変遷
第3次タピオカブームが発生する前年の2018年~2019年は日本の景気が良かった。景気変動を示すCI指数(Composite Indexes)に注目すると、その様子がよくわかる。
特に、タピオカブームが始まったとされる2018年は2010年~2020年までの間でCI指数が最も高くなっていることがわかる。
この現象は2007年の第2次タピオカブームでも同じ現象が起きている。先ほどと同じく、景気変動を示すCI指数(Composite Indexes)を見ると、2007年にピークに達したときに大規模な第2次タピオカブームが起きている。この第2次タピオカブームが第3次のブームと異なることは、CI指数が第1ピークを過ぎた1年後にタピオカが流行していることである。これについて筆者の推測では、2007年のCI指数である第1ピーク時で景気が良くなり日本の海外からの輸入量が増加した。そのとき過去に流行したタピオカをもう1度輸入し、日本でブームを起こそうと考え、輸入したとみている。このブームは2007年にタピオカがまとまって輸入されてから約1年間ブームが続いた。その要因としては、第2次タピオカブームは第1次タピオカブームと異なり、「食べるタピオカ」から、タピオカをゼリーやたい焼きの生地、ジュースに混ぜて食べる「混ぜるタピオカ」に大きく進化し、バリエーションが豊富だったからと考えられる。
そのため、以上のことからタピオカは好景気のピーク時に流行することから、不況の前触れを示すということが、経済的に正しいと読み取れる。
しかしここで問題なのは、1992年の第1次タピオカブームだ。この年は、第2次・第3次タピオカブームとは違い、景気後退前ではなく、景気後退時にブームが起きている。このことは景気動向を示すCI指数を見ても顕著である。しかし、ここで注目すべきことはCI指数ではなく、1992年の当時、世間ではまだ好景気の雰囲気(俗に言うこれがバブル)が蔓延していたということだ。そのため、海外からの輸入量が多く、物珍しいタピオカが日本に輸入され、それが一躍有名になったことでブームが起きたとみられる。
タピオカにかける思い
以上のことから、タピオカブームは好景気時のピークを示すため、不況の前触れであるということが正しいと判明した。
現在は第3次タピオカブーム後のコロナ・ショックまっただ中。タピオカブームは約10年周期で起きている。第4次タピオカブームが予想される2028年直前の好景気が今から待ち遠しい。
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